すきっ歯の滑舌について

すきっ歯だと滑舌が悪くなる

歯と歯の間に隙間がある「空隙歯列(くうげきしれつ)」、「すきっ歯」は、審美的な面以外にも様々な問題が起きることがあります。そのうちのひとつに、「滑舌が悪くなること」が挙げられます。

「さ行」や「た行」が発音しにくくありませんか?

すきっ歯の人は滑舌が悪く感じることがありますが、その中でも「さ行」や「た行」の音が発音しづらくなると言われています。試しに指などで歯の隙間を押さえて発音してみて、普段よりもうまく発音できた場合、滑舌の悪さはすきっ歯が原因かもしれません。どうして「さ行」や「た行」が発音しにくくなるのかは、人間が声を出す時のメカニズムに関係があります。

声は音の振動で伝わる

人が声を出すときは、まず音のもととなる空気が肺から送り出されて、そのあと声帯を震わせて発音します。声とはつまり、音の振動なのです。そして「あ行」や「な行」などの音の差は、舌や唇の位置などを変えて発音されることで生まれます。正しい発音をするためには、整った歯並び(隙間のない歯並び)が重要になるのです。歯に隙間がある場合、肺から送り出された空気が声帯を振動させても、舌や唇の動きを変化させても、正しい発音が出にくくなります。リコーダーやオカリナをイメージするとわかりやすいですが、しっかり息を吹き込んでも、音を変化させる穴をしっかり指でふさがなくては、正しい音が出ませんよね。すきっ歯はそれと同じく、空気が歯の間から漏れてしまっている状態に似ているのです。「さ行」や「た行」は口から強く空気を吐き出す発音なので、特に発音しづらく感じるとされています。

自力で滑舌を良くするためには?

発音の悪さの原因がすきっ歯だということがわかっても、矯正や治療はまだ少し怖い…という方も多いのではないでしょうか。できれば治療の前に、自力で滑舌をよくする方法も知りたいですよね。

話し方を明瞭にするポイント

リラックスして明るく話す

沈んだ気持ちのまま話すと、声がこもりやすく余計に聞こえづらくなってしまいます。明るい気持ちでリラックスしてはっきりと発音することや、力が入りすぎていないことなどを意識してみましょう。

正しい姿勢で腹式呼吸

姿勢を正しくすると、空気の通り道がまっすぐになるので、声が出やすくなります。また、呼吸が浅いと息が長く続かなくなるため、腹式呼吸で安定した発声を心がけましょう。

口をしっかりと動かす

「滑舌」という言葉から、舌を滑らかに動かすことが重要なように思えますが、発声は舌だけではなく口全体がしっかり動かなくてはいけません。例えば「た」という音はしっかり口が開いていないと、すっきりした発音に聞こえなくなってしまいます。口をしっかり開けて、音が響くように意識した開き方をすることが大切です。

「あ行」をしっかりと発音、1音1音丁寧に

「あ・い・う・え・お」の母音をしっかりと発音するように意識するだけでも、伝わり方がかなり変わってきます。とくに「あ」が母音の音は、口を縦に大きく開くことではっきりと聞こえます。また、音の1つ1つを丁寧にはっきり話すと、さらに聞き取りやすくできます。自分が思っているよりもゆっくり、はっきり丁寧に話してみましょう。

口周りをほぐす体操

はっきりとした発音には、口周りをしっかりと動かすことが大切です。口周りの筋肉は普段意外と使っていないことも多いので、意識して動かせるように体操をしてみましょう。「あ・い・う・え・お」のそれぞれの口を意識しながら、大きく口周りを動かします。声は出しても出さなくても大丈夫なので、少し大袈裟なくらい口を開きながらしっかり口周りをほぐしましょう。

すきっ歯の矯正には、どれくらいの費用や期間がかかる?

ダイレクトボンディング

歯の隙間をプラスチックで埋める方法です。治療は1回ですむので、急いで隙間を埋めたいという人におすすめです。

費用

自費の場合:5万円

健康保険が使える場合(虫歯の治療など):数千円

期間

1回の治療で完了

ラミネートベニア

歯の表面を薄く削って、セラミックを貼り付けて隙間を埋めます。プラスチックよりも耐久性がありますが、保険が適用されないため自己負担です。「費用が高い」「健康な歯を削らなければならない」というデメリットはありますが、歯の色や形も整えることができるので、すきっ歯の部分を徹底的に綺麗にしたいという人にはおすすめです。

費用

1本10万円程度

期間

治療の完了まで数回通院

マウスピース

透明な素材でできたマウスピースを使った歯の矯正方法です。矯正の進み具合でマウスピースを作り替えながら、徐々に歯を動かしていきます。矯正していることが周りに目立ちにくいことや、自分で取り外せることが大きなメリットです。保険適用外なので、費用は高めになっています。

費用

20~80万円

期間

3~12ヵ月

ワイヤー

一般的な矯正治療です。歯にブラケットという装置を取り付けて、ワイヤーで矯正していく方法になります。矯正装置を24時間ずっと装着することで、歯を動かしていきます。

費用

20~40万円

期間

数ヵ月~12ヵ月

まとめ

自分の滑舌になんとなく気になるところがあっても、その原因がすきっ歯であるとはなかなか気付きにくいものです。滑舌は、話し方や声の出し方を意識して変えてみるだけでも、かなり効果があります。大切な会議やプレゼンなどの前は、声の出し方をもう一度確認してみましょう。「自分の話し方を意識して変えてみても、歯の隙間からどうしても空気が漏れてしまう」というときは、矯正歯科を取り扱っているデンタルクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。